「二月の勝者」では、上杉陸斗が潰される、と言う話があります。
フェニックスの「神セブン」が、本番2カ月前に受ける、悔いで終わらせないための試練です。
「二月の勝者」上杉陸斗はフェニックスに入塾
「二月の勝者」では、上杉陸斗がフェニックスに入塾します。
陸斗は、フェニックスに入塾して、最初からサミットクラスです。
御三家が狙えると言われ、母親も喜びました。
フェニックスには、優秀な生徒が沢山います。
勉強が大好きなカズマは、4月からずっと筑駒の合判80%なのに、全く油断をせず、やり続けています。
マリナは、3歳から習っているバイオリンの練習を、受験中でも毎日一時間続けています。
マイペース過ぎですが、それでもずっと桜蔭の合判80%をキープしています。
ツバサは、去年「算数オリンピック」で入賞しましたが、受験の今年も申し込みました。
フェニックスでは、彼らを含めた、どこかぶっ飛んでいる天才肌の生徒が、「神セブン」と、呼ばれています。
「二月の勝者」上杉陸斗は神セブンの数合わせ
「二月の勝者」の上杉陸斗も、「神セブン」の一人です。
でも、神セブンの中に一人、例外がいます。陸斗です。
語呂がいいので、神セブンとして、トップの7人が一括りにされていますが、上からの6人は別格だけど、7番目の陸斗は、数合わせのポジションです。
陸斗は、すごく普通の子です。
一番バランスが良く、変人ではありません。
だが、普通の子だからこそ、危ない時期があるのです。
陸斗の性格からすると、今、このタイミングで80%A判定というのが、本当に危険なのです。
「二月の勝者」上杉陸斗への“ドSプラン”
「二月の勝者」では、上杉陸斗への“ドSプラン”を実行することにしました。
「神セブン」のトップの6人は、ずっと合判80%ですが、陸斗は前回やっと麻布で80%が取れたばかりです。
だから、ここらで、陸斗を潰しておくことにしました。
ここからが、フェニックスの真骨頂です。
可愛い教え子を勝たせるためには、なんでもやります。
上杉陸斗は合格者最低点をクリア
上杉陸斗は、五カ月前の初夏の生徒面談で、第一志望は麻布と決めました。
現在は12月初旬、二月の本番まで、残り二カ月です。
陸斗は、過去問演習で、合格者最低点を越しました。
まだあと二カ月も残っているのに、もうやることがないと、陸斗は思いました。
2回連続で、合格者最低点をクリアし、陸斗の顔の筋肉が緩んでいます。
とても、この時期の受験生とは思えません。
合格する点数が取れているからと、安心しています。
フェニックス 灰谷純先生の“ドSプラン”開始
フェニックスで、灰谷純先生の“ドSプラン”が、始まります。
灰谷純先生は、陸斗の算数の解答を見ます。
「大問5の後半部分、わからなかったにしても、途中まで解いたなら、なんで途中式を答案に書いておかないの?」と、指摘します。
麻布は、途中式の部分点をくれると、いつも言っています。
陸斗は、「本番ならちゃんと書く」と、言いました。
“ドSプラン”は過去問の「やり直しノート」
灰谷純先生の“ドSプラン”は、過去問の「やり直しノート」です。
陸斗は、過去問の「やり直しノート」を作ってくるようにと、言われます。
- できなかった問題を貼り付けて、解き直す
- できない問題がなくなるまで、繰り返し解く
- それが終わったら、難関校の良問を集めたプリントに取り組む
プリントは、筑駒や灘の難問レベルではないから、大丈夫と灰谷先生は言います。
このプリントを8割クリアするまで、麻布の過去問はお預けです。
陸斗に、「本当に実力が付いているなら、楽勝なはずだ」と、言いました。
陸斗は、「ぱっと見、麻布より偏差値下の学校の問題の寄せ集めみたいなので、今日、家でサクッと終わらせてきます。」と、答えました。
「二月の勝者」上杉海斗が潰される
「二月の勝者」の上杉海斗が潰されます。
プリントの問題集は、準御三家の中でも、手ごわい学校の、その中でも特に難しい問題を選んでいます。
なめて解いたら、8割はそう簡単に取れないのです。
陸斗は、帰宅後、プリントに取り組みますが、頭を抱えてしまいます。
案の定、8割にはいきませんでした。
正解率は、せいぜい5割というところです。
ちょっと、調子が悪かっただけと言いますが、陸斗のプライドは、傷ついていました。
「二月の勝者」灰谷純先生の狙いとは
「二月の勝者」の灰谷純先生の狙いは、陸斗のプライドをなくすことではありません。
今、自信を無くす方向の声掛けをする時期ではないのです。
本来ならじっくり自信を高めてもらう時期です。
本人の実力より少しだけ骨のある問題を攻めさせて、自分はできるんだという自己肯定感を、積み上げるべきです。
でも、たまに陸斗みたいに、勘違いをして気が緩むタイプもいます。
今の陸斗には、例外的に念入りに、一度プライドを折っておく必要があります。
たとえ、それが杞憂だとしても、それほど、この時期の80%が怖いのです。
毎年、必ずいる悔いで終わる子
早いうちに合格判定80%を取り、周りも本人も、盤石なつもりで本番に挑み、本番で実力を十分に出しきれず、不合格となる子がいます。
その現実は、残酷にも容赦なく降りかかります。
油断なのか慢心なのか、はたまた、ライバルの方が、上手だっただけなのか、何が原因なのか、わかりようもありません。
ただ一つ言えるのは、あの子たちが、子供だから、と言うことです。
大人もビックリするような難問が解けたとしても、忘れてはならないのです。
子供は子供だということを。
決してそれが、少ない事例ではない以上、たまたまだった、なんていう言葉では済まされません。
中学受験は、何が起こるかわかりません。
それが、子供だからこそ、そうなのだとしたら、大人は何をしてでも、導かなければならないのです。
12歳の春を、悔いで終わらせないためにも。
「二月の勝者」上杉陸が潰されるまとめ
陸斗は、以前空手をやっていました。
型の試合に出る時は、試合の前は、ものすごく練習をします。
しかし、試合で、練習以上のパフォーマンスが、できたことはありません。
現状に慢心せず、常に実力を上げていくしかないのです。
しかし、受験生とはいえ、子供です。初めての受験です。
「神セブン」のトップ6以外の子には、手を止めず、やり続けるよう導くことが大事ですね。